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高所得者との離婚(財産分与)に向けて別居前にすべき7つのこと

目次

はじめに

 本記事では、高所得者との離婚(財産分与)に向けてどのようなことについて注意すればよいかについて、説明していきます。なお、この準備は、相手が高所得者でなくとも通用するものですから、是非ご参考下さい。
 また、本記事は財産分与に特化した記事ですので、そこはご了承ください。

なぜ高所得者との離婚は注意が必要?

 高所得者の場合、財産の種類が現金以外に、有価証券や株式、不動産、時には海外に財産がある・・・など、多岐にわたることが多くあります。
 財産分与は原則、婚姻期間中に築いたお互いの財産を出し合ってそれらを折半することになるのですが、相手が高所得者の場合であればあるほど、財産の種類が多く、また額もかなり多くなるケースが多いばかりに、きちんと相手が財産を示してきているのか、また相手が把握していない財産がある等、財産分与を適切に行えているのかを確認することが難しくなるため、注意が必要となります。

 また、一般的な離婚の財産分与に関しては下記記事を参考にしてください。

 また、一般的な隠し財産に関しては、下記記事を参考にしてください。

高所得者との別居前にすべきこと

 高所得者との離婚における財産分与に向けては、別居前に準備を進めておくことが重要です。
 下記では、7つの注意点を紹介いたします。

相手名義の口座を把握する

 高所得者は、口座を多く持つ傾向にあります。また、最近ではネット銀行を利用しているケースも多いです。
 このような、相手方が持っている口座の情報を把握するタイミングは、通常、別居前しかありません。
 別居前には必ず、相手の通帳を写真に収めたり、郵便物を確認したりして、相手が有している口座の手がかりを少しでも多く手に入れておきましょう。これがあるかないかで、後にその口座に入っている財産を財差分与の対象にできるか否かがきまります。

相手名義の口座取引履歴を把握する

 前項と被る部分がありますが、高所得者は、口座を多く持つ傾向があり、その別口座の存在については、しばしば取引履歴が手がかりになることがあります。
 代表例は送金履歴で、なんだか相手名義の口座への高額の送金履歴があるのに、他の判明している口座にはその入金がない、それはどこにいったんだ?というような疑問が、隠し口座発見の端緒になったりします。ですから、口座については、その取引履歴についても、写真を撮るなどしておきましょう。

相手名義のクレジットカードを把握する

 高所得者は、クレジットカードを複数持つ傾向にあります。
 クレジットカード自体は財産分与の対象になるわけではありませんが、クレジットカードは、ご存じのとおり口座を紐付いています。クレジットカードを把握しておけば、このカードはどの引き落とし口座?という具合に、調査嘱託等で元口座にたどり着くことが出来る場合があります。
 クレジットカードは、未だカードそのものを使っている人も多いですから、口座よりもある意味探しやすいかもしれません。

相手宛の郵便物等を注視しておく

 同居中、相手宛の郵便物を勝手に開封などすることは後に問題になり得ますので、それは原則だめですが、郵便物の外側を写真撮影しておいて頂いたりすることは大丈夫です。
 今は紙での通知も少なくなっていますが、郵便物からは、証券会社や口座などのあしがかりとなる情報が発見されることがあります。有価証券関係は、網羅的に探す手段もありませんから、とにかく、何らかてがかりになりそうな見覚えのない郵便物があれば、会社名だけでも把握しておくようにしましょう。

相手の車のナンバー等を把握しておく

 驚かれるかもしれませんが、高級車を何台も所有しているような高所得者もいて、その場合、車の情報も得ておかなければなりません。少なくともナンバーは把握しておいていただいて、可能なら車検証の写真などもとっておきましょう。
 なお、ナンバー不明でも、工夫をすればその人名義の車を探し出すことも可能ですので、ぜひ弁護士にご相談ください。

相手名義の不動産を把握しておく

 他方、配偶者に内緒で、不動産投資等をしている高所得者もいます。
 その場合、不動産の情報が必要になります。登記簿や売買契約書等の書類がないか、探しておきましょう。なお、不動産についても、ある工夫をすれば情報がなくても一定程度は探すことができます。是非、弁護士にご相談くださいませ。

相手名義の事業資料を把握しておく

 高所得者の中でも、自身で会社や事業をやっている人については、会社や事業の財産関係についても把握が重要になってきます。
 この手の人は、会社の経費だといって会社のお金をプライベートに使っていたり、会社名義の資産をプライベートで使っていたり(車などが多い)していることがあり、これが法的に論点となる場合(財産分与に限らない)がよくあります。相手方が会社等をやっている場合には、そういう関連資料についても、把握しておくようにしましょう。

まとめ

 以上が大体の重要なところですが、ポイントは、①別居前に、②出来る限りの情報を集めておくということです。
 何が重要な情報になるかは、我々弁護士でも予測することができません。重要でないと思っていた資料が、その後の展開によって「これがあればわかる!」という重要なピースになることもあるのです。
 ですから、別居を計画される際は、是非、弁護士に相談されることをお勧めします。
 P&M法律事務所では、離婚事案を多数扱っております実績がありますので、是非ご相談下さい。
 本記事が少しでも皆様のお役に立つことを祈っております。

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