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企業法務とは?どんな場合に弁護士に依頼するべき?

 企業コンプライアンスの遵守がいわれるなか、「企業法務」という分野が注目を集めています。しかしながら、企業法務と一言にいっても、その内容は多岐にわたります。以下では、企業法務とは何か、どのような場合に企業法務を弁護士に依頼すべきなのか等について解説します。

この記事でわかること
・企業法務とは何かがわかる
・企業法務を弁護士に依頼するメリットがわかる
・企業法務に強い弁護士がわかる

目次

企業法務とは

 企業法務とは、明確な定義があるわけではありませんが、法的観点から企業経営に携わることの総称です。
 企業法務は企業の内部の法務部門で担ったり、内部で設置するのが難しい場合や、併せて外部の顧問弁護士に依頼したりします。
 企業活動を行う上で少なからず法令順守は切り離せないものであるため、それを担う活動が企業法務であるといったほうが簡単かもしれません。

企業法務の分類

 企業法務の内容としては、大きく「契約法務」「予防法務」「戦略法務」等に分類することができます。
 「契約法務」とは、文字通り契約書を作成したり、チェックしたりする機能を指します。また、「予防法務」とは、紛争の事前予防、例えば知的財産の保護などを指します。さらに「戦略法務」とは、M&Aや特許の取得など企業を拡大するためのビジネス戦略を指します。
 このような分類をご紹介しましたが、これらは必ずどれかにきれいに分類されるというわけではなく、例えば契約書作成ひとつとっても、契約であるし、予防かつ戦略的な意味合いのある活動といえます。また、知的財産のことであれば、商標権のように財産を守るといった紛争予防としての観点もあれば、特許のように発明を戦略的に生かして活動するという経営戦略的な観点もあるといえます。
 このように、企業法務はかならずきれいに分類されているわけではなく、あらゆる活動が分野をまたいでいることが多くあります。
 下記では、企業法務の具体的な内容を見ていきましょう。

企業法務の具体的な内容

・実際に紛争になった場面での紛争解決のための取り組み
・ステークホルダーとの間の法的問題の解決
・法令順守チェック
・法務の立場から新規の事業戦略を組み立てていく取り組み


実際に紛争になった場面での紛争解決のための取り組み

 これはもっとも端的でわかりやすいといえます。
 例えば、企業活動において、トラブルにより訴訟を起こされた、訴訟を起こしたい、といった紛争が発生した場合、それを解決するため、訴訟対応したり、和解のために動いたり、といったことが挙げられます。
 実際に訴訟になった場合は、弁護士に依頼する必要がありますが、訴訟までいかない場合は、法務部門が対応することもありますし、弁護士に相談をする場合もあります。

ステークホルダーとの間の法的問題の解決

 会社にとって、ステークホルダーとは利害関係者を指します。(よく似た言葉に、ストックホルダーがありますが、これは企業の株を有している株主のことのみを指します。)
 ステークホルダーは、労働者、取引先、株主、金融機関など、様々な企業を取り巻くすべての利害関係者ですから、これらとの調整の際、法的問題が発生することはよくあります。
 企業法務的観点からみると、契約書の作成や、株主総会の運営、人事労務関係など、関与する点は多岐にわたります。

法令順守チェック

 企業が法令を遵守した活動を行っているかをリーガルチェックすることも、企業法務の取り組みの一つです。
 例えば就業規則がきちんと整備されているか、などがあげられます。また、商品が他の権利を侵害していないか、といった知的財産権の確認なども挙げられます。

法務の立場から新規の事業戦略を組み立てていく取り組み

 戦略的に企業の経営活動を法的立場からサポートし、新規の事業戦略にかかわることも企業法務の活動の一つです。
 具体的には、M&Aと呼ばれる、会社合併や事業譲渡などをすすめていくことが挙げられます。その中で事業譲渡契約や、秘密保持契約といった専門的な知識が必要となることがあるため、必然的に企業法務として担う部分も多くなります。

企業法務をどのようにすすめるか

 以上のように、企業法務の内容は多岐にわたりますが、それらをすすめていくために、どのような体制を構築していくのがよいかは、企業規模や予算、進めたい内容によって、経営判断になるでしょう。
 前述のように、企業に法務担当を置く場合と、外部の弁護士に依頼するというパターンがあります。また、企業に法務担当の弁護士を採用するという方法もあります。

 下記では、外部、内部問わず、弁護士に企業法務を任せるメリットを説明します。

企業法務を弁護士に任せるメリット

 外部の弁護士に依頼するメリットは、以下のようなものがあります。

・専門的な意見を導入できる
・場合によっては採用コストや人件費を削減できる
・訴訟対応を迅速に行うことができる

 詳しく見ていきましょう。

専門的な意見を導入できる

 企業法務の知識は多岐にわたります。弁護士であれば、最低限、企業内部の弁護士でも、外部の弁護士でも、専門知識がある者からの意見を聞き、導入することができます。
 企業に法務部門を設置した場合であっても、おそらく専門的な意見を導入するためには、最終的に弁護士を頼ることになるため、あらかじめ内部または外部に顧問弁護士を置いておくということも一つです。

場合によっては採用コストや人件費を削減できる

 企業の規模によっては、弁護士を従業員として雇用するほうが、コストがかからない場合もあります。また、外部の弁護士と顧問契約を締結し、顧問料の範囲でアドバイスをもらう(ただし顧問契約内容による)、という方法もあります。
 どのようにするかは、企業の規模や事業内容によりさまざまですが、新たな事業を行う、などといったタイミングで、コスト削減という面からも検討してみるのがよいでしょう。

訴訟対応を迅速に行うことができる

 いざ訴訟となると、弁護士に依頼するほうがよいケースが多くなります。したがって、普段からすぐに対応できる弁護士がいれば、訴訟がいざ起きた場合でも、迅速に対応することができます。訴訟前からトラブルに関して弁護士に相談していれば、より迅速な対応をしてもらえるでしょう。

企業法務に強い弁護士とは

 また、せっかく依頼するなら、企業法務に強い弁護士に依頼したい、そのような弁護士を雇い入れたい、という場合も多くあります。
 前述のように、企業法務の内容は多岐にわたるため、あらゆる分野に強い弁護士を数名抱える企業法務に強い、といえるかもしれません。
 しかし、実際のところ、そのような事務所に依頼するにはかなり金銭的に難しい場合が多いですし、実際に依頼しても、オーバースペックである場合も多くあります。例えば、M&Aを何度も繰り返すような大企業であれば、そのような知識は不可欠ですが、中小企業の企業法務に関する内容であれば、基本的な企業に関連する法律に長けた弁護士、またはそのような弁護士を抱える小規模な事務所で十分な場合もあります。
 まずは、身近な弁護士に複数、相談してみたうえで、自社ではどのような企業法務の分野を強化したいのか、どのような内容を処理してほしいのか、どのような弁護士を必要とするのか、決定するのがよいでしょう。

まとめ

 以上のように、自社のすすめたい方向性にあわせて、ある程度のメリットがある場合に、企業法務の活動を弁護士に依頼するということになるでしょう。
 また、外部の弁護士に依頼する際には、顧問契約を締結するほうが、結果的にコストの面や、日常の法的リスクを抑えることができる可能性があります。
 企業法務を本格的に取り組む場合、一度弁護士事務所に相談してみるのをお勧めします。
 P&M法律事務所では、いくつかの顧問先企業さまにご依頼いただいております。企業法務について、ぜひ一度お気軽にご連絡ください。

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