離婚調停を弁護士に依頼するメリットを紹介!依頼にかかる費用や選び方も解説
協議離婚がうまくいかず離婚調停に進む際、弁護士に依頼するかどうか、弁護士に依頼すると費用が高額になるのでは、と悩まれる方は多いです。
この記事では、離婚調停を弁護士に依頼するメリットをまとめました。依頼したときにかかる費用の詳細、離婚調停に向いている弁護士の選び方も併せて解説いたしますので、離婚調停で弁護士を頼むかどうか悩まれている方の参考になれば幸いです。
離婚調停は弁護士を立てるべき?
裁判では弁護士が必要だとしても、離婚調停のときから弁護士を立てるかどうか悩まれる方は多いです。結論から申し上げますと、弁護士を立てなくても申立ては行えます。相手方の住所地の裁判所に、申立てに必要な書類と費用を提出することで離婚調停の申立てとなるからです。
一方、離婚調停では、離婚をするかしないかといったことだけではなく、慰謝料や財産分与、教育費、年金分割などお金のことが絡みます。離婚調停に臨む前に準備をしておく方がほとんどです。
しかしながら、実際に調停の場ではうまく伝えられず、不利な結果となることもあります。相手方が弁護士を立てていればいっそう不利になる可能性が高いです。
弁護士を立てる方は多くないのでは、とお考えになる方もおられますが、裁判所のサイトによりますと、令和2年度のデータで申立て人の55.7%、相手方の34.3%が弁護士をつけて離婚調停に臨んでいます。
このことからもご自身が不利にならないように、離婚調停から弁護士を立てたほうがよいことがわかります。
離婚調停で弁護士が対応してくれる内容
弁護士は実際の離婚調停で、以下の内容に対応してくれます。
離婚調停で弁護士が対応できる内容
- 各種手続きの代行
- 離婚相手とのやりとり
- 法律に関するアドバイス
- 調停開始前の裁判所とのやりとり
- 調停への同行
以下詳しく説明いたします。
各種手続きの代行
弁護士は依頼者と委任契約を結ぶことで離婚調停の代理人になれます。このため、離婚調停に必要な書類である調停申立書の作成から家庭裁判所への提出、そのほか必要な書類の収集なども含めた、各種手続きの代行が可能です。
離婚相手とのやりとり
代理人となった弁護士は、依頼者の代理として必要な手続きを代行できます。
このなかには、離婚相手との交渉などのやり取りも含まれます。財産分与の細かい割合や、子供の養育費の支払い、年金分割、慰謝料を求めてきた場合の対応など、法律に詳しくないと不利な条件で離婚に合意してしまうこともあります。弁護士は法律のプロフェッショナルであるため、これらの複雑な問題に対しても依頼者が相手と一切顔を合わせることなく、ご納得いただけるやり取りを進めていくことが可能です。
法律に関するアドバイス
弁護士は法律のプロであり、離婚調停に関しても経験が豊富です。これらの知識と経験を生かして、法律に基づいたアドバイスが可能です。
ほとんどの方が初めての経験である離婚調停は、独力で調べても理解しきれない部分があります。こういう場合はどうしたらよいかわからないときに弁護士に質問すれば的確なアドバイスが得られます。離婚に関する手続きで心身ともに疲れ切った方には大変心強い味方です。
調停開始前の裁判所とのやりとり
離婚調停を行うには、申立書と夫婦の戸籍謄本や年金分割のための情報通知書といった標準的な申立添付書類の提出が必要です。
審理のために必要な場合は、追加書類の提出を求められることもあります。申立てが受け付けられると、数日後に裁判所から離婚調停期日の通知書が届きます。通知書に記載の日程と時間に裁判所に行くことが必要です。これらのやり取りをすべて弁護士が代理でできます。書類作成から申立てまで対応してくれるため、裁判所に行かなくても調停が始められます。
調停への同行
実際に調停が始まると、家庭裁判所に行く必要があります。
相手も来ていますが、別々の待合室で待つことになるため、顔を合わせることはありません。調停室には申立人から先に呼ばれ話をします。
このとき、弁護士を立てていると、調停に弁護士の同行が可能です。
調停では依頼者ご自身の言葉で調停委員に伝えられます。一方で、いろいろなことを思い出して言葉に詰まってしまうようなときは、弁護士が代理として依頼者の意見を伝えることも可能です。
ひとりで調停に行くよりも弁護士が同行することで、精神的な安定も得られます。
離婚調停を弁護士に依頼するメリット
弁護士が離婚調停でできることはすでに述べました。
それでは弁護士に離婚調停を依頼することで得られる具体的なメリットは、どのようなものでしょうか。メリットは主に調停準備と調停期間に関するものにわけられます。以下で詳しく説明いたします。
調停準備に関するメリット
まず調停準備に関するメリットについて、解説いたします。
申し立てがスムーズに進む
申立てをするには、3つほど注意点があります。
まず、申立てを行う家庭裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所となっています。これは、現在相手が住んでいるところの家庭裁判所です。依頼者の住所から遠いことも考えられ、その場合に弁護士を立てていると、そちらに赴いて申立てを行ってくれます。
次に年金分割についてです。こちらは申立書と別に年金分割のための情報通知書が必要です。取得の際は年金事務所や各種共済組合、私学事業団の窓口へ問い合わせます。取得に時間がかかるため、申立書作成の前に準備をしておくとよく、またこちらも弁護士が対応してくれます。
最後に、別居中の婚姻生活を維持するための費用である婚姻費用を請求する場合です。離婚調停申立書とは別に、婚姻費用の分担請求調停の申立書が必要となり、こちらも弁護士が対応可能です。
これらの手続きの進め方に弁護士は詳しいため、申立てがスムーズに進みます。
証拠に関する相談やアドバイスがもらえる
調停で主張する事柄に関し、証拠がある場合は取っておくことが必要です。相手は証拠がなければ誤魔化したり、否定したりすることもありえます。
浮気や暴力があったとしても、否定されてしまえば、基本的に調停委員は中立の立場であるため、被害者に不利です。そういった際に証拠は有効ですが、どのようなものが有効な証拠になるのか分からないことも多いです。
証拠に関して弁護士に相談することで、効果的な証拠やその集め方、注意点などのアドバイスがもらえます。
調停期間に関するメリット
次に調停期間に関するメリットについて、解説いたします。
有利に交渉が進められる
弁護士が付いている大きなメリットは、交渉が有利になることです。
相手が不利な条件を示しても、法律の知識をもとに、受け入れなくてよいかなどのアドバイスがもらえます。弁護士は交渉のプロフェッショナルでもありますため、調停委員を論理的に説得し、こちらに有利になるように働きかけることも可能です。結果、不利な条件で離婚調停が成立することを防ぎます。
争点にあわせたアドバイスがもらえる
争点に合わせたアドバイスがもらえることもメリットです。
離婚調停ではそもそも離婚をするかどうかといった争点から、親権、財産分与や年金分割などの金銭に絡む争点があげられます。これらの争点について、どのようなことを調停委員に伝えればよいかわからない方がほとんどで、感情的に思い出だけを話してしまうこともありえます。
しかし調停の場は、互いの思い出話をする場とは違います。自分の求める未来に進むためにも、弁護士からのアドバイスを生かし、調停を有利に進めることが必要です。
調停期間の短縮に繋がる
離婚調停はお互いが合意しないと終了しません。
感情的になると調停がスムーズに進まず長期化することがあります。弁護士に依頼すると、同席してくれることはもちろん、調停期間中に交渉を有利に進めるためのアドバイスがもらえます。
具体的には離婚に有利な証拠集めの方法や、調停委員の前での振る舞い方、よい印象を与える話し方などです。調停委員の印象をよくすることで、期間短縮もみえてきます。
精神的なストレス緩和に繋がる
離婚は大変精神的ストレスが大きいです。DVなどで離婚調停を行う場合、会わないように配慮がなされるとはいえ、近くに相手がいるだけで極度の緊張を強いられます。
そういった理由がなくとも、離婚はエネルギーを必要とするため普段の生活が立ち行かなくなる方もいます。
一方、弁護士に依頼すると、手続きを行ってくれ実務的な忙しさから解放されるだけではなく、味方になってくれる人がいるという安心感もえられ、ストレス緩和につながります。
離婚調停を弁護士に依頼するデメリット
ここまで離婚調停を弁護士に依頼するメリットについて解説してきました。
次はデメリットについて解説いたします。
弁護士に依頼する場合のデメリットは、費用がかかることです。離婚調停は申立てもそれほど複雑ではなく、費用も少額です。
一方、簡単な手続きで開始できる離婚調停は、合意に時間と大きなストレスがかかります。また、求める結果にならないかもしれません。
よって、財産分与や親権など争点が多い場合には、弁護士に依頼した方が費用はかかりますが、より納得できる結果に近づきます。
離婚問題を弁護士に依頼する際の費用
離婚調停をするにあたり、弁護士に依頼してみようかと考えている方の中には、実際いくらくらい費用がかかるのか心配になった方もいます。どのような費用が離婚調停にかかるのか、解説してまいります。
そもそも離婚調停にかかる費用は?
離婚調停は手続きを含め、開始するにはそれほど複雑ではありません。このため、費用も抑えられています。具体的には、収入印紙1200円分、連絡用の切手代(予納郵便切手)が家庭裁判所ごとの1000円から1500円程度、夫婦の戸籍謄本1通450円がかかります。
弁護士費用の内訳
弁護士に依頼する際の費用の内訳として、以下の3つがあげられます。
弁護士に依頼する際の費用
- 着手金
- 報酬金
- 日当・実費
順に説明いたします。
着手金
着手金は弁護士に依頼をした段階で発生します。調停の結果のいかんに関わらず支払う必要があり、離婚に関しては20万円から60万円くらいが相場になります(但し、弁護士によりまちまちです)。
報酬金
報酬金は調停が求める結果、たとえば離婚が成立した、要望どおりの慰謝料を得られたなどの場合に支払います。弁護士事務所、また案件の内容によって異なり、得られた金額の10%から20%です(これも弁護士によりけりです)。
日当・実費
日当は弁護士が事務所以外の場所で、弁護活動のために拘束された時間に対して発生します。1時間1万円程度を見込んでいる弁護士事務所が多く、半日で3万円から5万円、1日で5万円から10万円となる設定もあります(なお、P&M法律事務所では、県外でない限り日当を頂いておりません)。
実費は手続きを代行した際の申立て費用、予納郵便切手代、書類の取得にかかる費用から、弁護士の宿泊代や移動費、保証金、預託金といった諸費用です。申立てにかかる費用は数千円であり、宿泊代や移動費は、依頼した弁護士が遠方からくるのであれば、数十万円の費用が発生することも見込んでおきます。
離婚調停を弁護士に依頼する場合の選び方
実際に離婚調停を弁護士に依頼する場合、どのような観点で弁護士を選べばよいか説明いたします。
離婚調停を依頼する際の弁護士の選び方
- 離婚問題が得意な弁護士に依頼する
- 離婚問題の解決実績を確認する
- 親身になってくれる弁護士へ依頼する
- 費用が明確に提示されているかで選ぶ
順に説明いたします。
離婚問題が得意な弁護士に依頼する
法のプロフェッショナルである弁護士の得意分野はそれぞれです。
どの分野にも経験がある弁護士が多い一方で、なかでも特に債務整理に強い弁護士もいれば、交通事故を主に担当する弁護士、刑事事件に詳しい弁護士もいます。依頼者が離婚調停について相談したい際には、離婚について詳しい弁護士に依頼することが大切です。
離婚問題が得意な弁護士は、積極的に離婚問題を解決しようと取り組み、案件を解決しているため、安心して離婚問題の依頼ができます。たとえ知り合いの弁護士を紹介されても、離婚相談が得意かどうかひとこと訊ねるとよいです。
離婚問題の解決実績を確認する
インターネットで調べると、離婚専門といった弁護士事務所も多くみられますが、それだけをうのみにすることはやめたほうが賢明です。
実際のところ、離婚は件数が多い案件であるため、多くの弁護士が担当した経験を持ち、一定の水準での処理が可能です。本当に離婚問題が得意な弁護士かどうかは、離婚問題の解決実績を確認することが必要です。
離婚専門といった文言を使用していなくても、サイトに掲載されている実績や、依頼者の声などで、信頼できる弁護士事務所か、離婚問題が得意な弁護士がいるかどうかわかります。実績のある弁護士であれば、過去の実績より依頼者が不利になりそうな点やその対策も対応が可能となり、離婚問題の早期解決も目指せます。このことから、解決実績を確認することは重要です。
一方、実績が多く評判が高い弁護士は多忙でなかなか連絡が取れないこともあります。まだ大丈夫だからと、後回しにされてしまうと、依頼者の精神的な負担が大きいです。自分のために時間を確保してくれそうな弁護士かどうか、実績を確認すると同時に調べる必要があります。
親身になってくれる弁護士へ依頼する
解決実績が多く、離婚問題が得意そうな弁護士を見つけることができたら、性別はあまり気にせず、一度実際に会って話をしてみることをおすすめいたします。
インターネットの情報だけでは、弁護士の人となりまで知ることは難しいからです。弁護士も人ですから、依頼者に優しく寄り添うタイプもいれば、終始生真面目な態度で弁護活動を行うタイプの弁護士もおります。
離婚問題は自分の個人的な話を伝えます。相談している際に、親身になってくれることが伝わる弁護士であれば、その先も離婚問題解決に向けて一緒に頑張れるでしょう。
逆に、どうも合わないと感じる弁護士と問題解決に向けて進むのは、離婚問題のストレスと相まって精神的に負担が大きいです。このため、弁護士との相性のよさもポイントです。
多くの弁護士事務所では、初回の無料相談が設定されています。このサービスを利用して弁護士と話すなかで、相性のよい弁護士かどうかを判断してください。
費用が明確に提示されているかで選ぶ
弁護士費用には前述のとおり相談料、着手金、報酬金、日当・実費がかかります。費用項目がこれだけあると、いったい総額でいくらかかるのか不安になる方もいます。
料金に関してはサイトでしっかり提示されているか、問い合わせをして料金をしっかり伝えてくれる弁護士事務所を選ぶとよいです。また、初回相談の時点で弁護士がしっかり費用について説明してくれることも、弁護士を選ぶ観点としては大切です。
いざ委任契約を結ぶ際に、こんなに費用が高くなるとは思わなかったと後悔することを避けるためです。料金について明確にしてくれる弁護士、弁護士事務所であれば、安心して離婚調停を依頼できます。
離婚調停を弁護士に依頼する際の注意点
離婚調停を弁護士に依頼する際の費用や弁護士の選び方についてはすでに解説いたしましたが、それ以外の注意点についても2点解説いたします。
費用や弁護士の選び方以外の気にするべき点
- 費用対効果が得られない可能性もある
- すべてを弁護士へ丸投げすることはできない
以下、詳しく説明いたします。
費用対効果が得られない可能性もある
離婚調停を弁護士に依頼すると、費用がかかります。
この費用が、離婚成立時の財産分与、慰謝料、婚姻費用などより上回ってしまうと、たとえ離婚が無事に成立しても赤字になってしまいます。この点に関しては、初回の相談でしっかりと話し合える弁護士を選ぶことで回避できますが、離婚調停が大変だったのに思ったよりもらえなかったという事態はありえます。
また、離婚は成立したものの相手方がなかなか納得せず、想定よりかなり時間がかかってしまう時間的コストもあげられます。このように、離婚調停には、費用対効果が得られない可能性があります。
すべてを弁護士へ丸投げすることはできない
離婚調停を弁護士に依頼すると委任契約を結ぶため、弁護士は依頼者の代理として各種手続きから相手方とのやり取り、調停への出席などすべて代行が可能と申し上げました。
しかしながら離婚調停の手続きすべてを弁護士へ丸投げすることはできません。
申立書の内容について依頼者の意向をくむためには、弁護士と面談を行い依頼者の話を聞かねばなりません。また、調停は平日の日中に開催されます。どうしても参加できないというような「やむを得ない事由」がある場合は、代理人が出席することが認められておりますが、実際のところ調停委員は当事者の話を聞きたがります。
よほどの事由でないかぎり、調停で不利になる場合もあります。また、調停員に直接伝えたいような内容があるなら、依頼者が出席する必要があります。
離婚調停の相談は「P&M法律事務所」へ
離婚調停を弁護士に依頼するメリット、デメリット、またそれにかかる費用や弁護士の選び方などをご紹介いたしました。
離婚調停は弁護士に依頼せずとも、申立てが可能です。一方で、離婚というものは非常にエネルギーを使います。離婚するかしないか、という観点だけでも、どちらかが納得しなければ調停の場で話し合いが長期間行われます。
さらに財産分与、慰謝料、年金分割、子供の親権、婚姻費用など今後の生活を左右するお金や子供のことについても話し合おうとすると、結論までに精神を疲弊してしまう方も少なくありません。手続き自体は簡単でも、実際の調停で調停委員に自分の要望をうまく伝えることが不安に感じる方もいらっしゃいます。
弁護士に依頼することで、裁判所との手続きの代行、やりとり、依頼者の調停委員との対応へのアドバイスなど、有利に交渉を進めることが可能です。
また、弁護士が傍にいることで安心して離婚調停に臨むことができるとのお声もいただいております。P&M法律事務所では依頼者の信頼にお答えし、慰謝料を請求したい、不貞行為の証拠を集めたい、財産分与について不利にならないように決めたい、養育費、婚姻費用など将来の不安がないように定めたい、といったご要望に全力で対応させていただきます。
弁護士に頼むと費用がかかるのは確かです。
P&M法律事務所では費用に関しまして、初回ご相談の際にまずどのくらいの費用がかかるか、成功報酬はいくらくらいか、手数料はいくらになるかをできるだけ明瞭に説明しております。
初回面談相談は無料とさせていただいております。
離婚調停でお悩みの方は、まずご相談ください。